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2005/04/12

『偶然の輸贏(しゅえい)』他、判例(オンライン・ポーカーと法律)

●『偶然の輸贏(しゅえい)』
・大審院大正11年7月12日判決・大審院刑事判例集1巻377頁「「偶然の輸贏」とは、当事者にとって確実に予見したり、その意思により自由に支配できない事実に関して勝敗を決めることをいう。」(「新・判例コンメンタール 刑法5 罪(2)」三省堂)
・大審院大正3年10月7日・大審院刑事判決録20巻1816頁「賭博罪成立のためには、勝敗が主観的に不確定事実に係ることで足り、客観的に不確定であることを要しない。」(「判例六法 平成2年版」有斐閣)
・大審院昭和6年5月2日判決・大審院刑事判例集10巻197頁「麻雀の勝敗は技能・経験に左右されるが、主として偶然の事情に基づくから「偶然の輸贏」にあたる。」(「新・判例コンメンタール 刑法5 罪(2)」三省堂)
・大審院大正4年10月16日・大審院刑事判決録21巻1632頁「勝敗が単に技量のみにより決まらず、偶然の事情の影響を受けることがある囲碁についても、賭博罪は成立する。」(「判例六法 平成2年版」有斐閣)


 輸贏(しゅえい。ゆえい、とも読む)とは、広辞苑第四版(CD-ROM版)によると「(「輸」は負け、「贏」は勝ちの意) かちまけ。勝負。」とされています。
 賭博罪が成立するための、「偶然によるところの勝負事」に属する事柄は、客観性によらず主観的なもので足りるとされることから、かなり広範囲にわたります。ゲームなどの娯楽にとどまらず、スポーツや自然現象も含まれる、ということです。例えば、「明日の天気の予想」も偶然の輸贏となります。
 ゲームという一分野に限っていえば、判例を見ても分かるとおり、囲碁もその対象となっている点は重要かと思います。


●『財物を以て博戯又は賭事を為したる』
・大審院明治45年7月1日・大審院刑事判決録18巻947頁「本罪の成立にあたり、特質の目的である財物の数額は、当初から確定している必要はない」(「新・判例コンメンタール 刑法5 罪(2)」三省堂)
・大審院大正2年10月7日・大審院刑事判決録19巻989頁「本罪の成立にとって、賭博が博戯か賭事かを区別して判示する必要はない。」(「新・判例コンメンタール 刑法5 罪(2)」三省堂)


○単語の意味(広辞苑第四版より)
「財物(ざいぶつ)」…1.(ザイモツとも) 金銭と品物。金銭または品物。 2.主に刑法上用いられ、窃盗・強盗・詐欺など財産犯の客体となるもの。
「博戯(ばくぎ)」…博奕(ばくえき)の遊戯。ばくち。
「博奕(ばくえき)」…ばくち。
「博打・博奕(ばくち)」…(バクウチの約) 1.財物を賭け、骰子(さい)・花札・トランプなどを用いて勝負をあらそうこと。ばくえき。かりうち。とばく。 2.一か八(ばち)かのまぐれ当りをねらう行為。「大―を打つ」 3.「ばくちうち」に同じ。
「賭事(とじ)」…金品をかけて勝負すること。かけごと。

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